探偵に関する疑問・不安
【探偵】個人情報の調査方法|どこまで調べられる?違法にはならないの?
探偵に調査を依頼すると、相手の「個人情報」を調べてくれます。
とはいえ、近年は個人情報の取扱に厳しくなっていますから、「探偵の調査=違法行為に該当するんじゃ?」という心配もあります、
探偵の調査は違法なのか?それとも合法なのか?
また、個人情報はどこまで調べることができるのか?
詳細をチェックしていきましょう。
この記事の目次
探偵に認められている調査方法は3つのみ
探偵は「探偵業法(探偵業の業務の適正化に関する法律)」にもとづき調査を行います。
この法律に違反すると、営業停止(廃止)や懲役・罰金刑などが与えられます。
では、探偵業法で認められている調査方法は?というと、下記3つがあげられます。
聞き込み
対面して聴き込むをする、電話で聞き込みをするなどの方法があります。
強引に聞き出そうとするとか、脅しのような形で聞き込みをすることはありません。
【以下、大手探偵の「原一探偵事務所」のホームページからの引用になります】
【疑問】他人になりすますと違法性が問われるんじゃないの?
いくら調査とはいえ、他人になりすまして聞き込みをするのは違法なんじゃ?と思いますよね。
これに関してですが、聞き込みをした相手が損害を被らなければ問題はありません。
ただし、違法性が問われることもあります。そのパターンが次の2つ。
- 公務員という立場を名乗る
- 実在する組織、団体の名称を利用してなりすます
「公務員」と名乗ると、公務員の方々に損害が生じます。
実在する組織や団体の名称を利用した場合も同じです。
ですから、探偵は「実存しない誰か」になりすます必要があります。
尾行
尾行は探偵の調査で最も用いられる方法です。
尾行は「徒歩」もしくは「車両(車・バイク)」で行います。
基本的には2〜3名位以上のグループで、複数台の車両で尾行をします。
バレないよう慎重に尾行することはもちろんですが、対象者を見失わないための監視力や、他の車輌とのバランスを考慮して尾行する運転能力も求められます。
張り込み
車両の中から、もしくは建物の影に隠れて対象者を張り込み・監視します。
ただ、住宅街での張り込みは難易度が高いです。
調査対象者ではなく「近隣住民」から通報される可能性がありますからね。
警戒されないために、探偵はさまざまな工夫を凝らします。
- 近隣住民になりきる
- そのために「周りに溶け込む」
- 車の後部座席に座って「無人」を装う
……などなど。
私たちが思っている以上に張り込みは難易度が高く、奥も深くなっています。
ビデオカメラによる撮影は問題なしなの?
浮気調査や素行調査では、証拠確保のために「撮影」が行われます。
当然、対象者にバレずに撮影するわけですから、「盗撮」といえますよね。
「調査とはいえ、盗撮するのは犯罪なんじゃ?」と思うところですが……
問題ありません。
例えば、浮気調査を例に見ていきます。
- 浮気や不倫は「民法的」に問題がある
- 損害賠償や慰謝料を請求するには「証拠」が必要
- その証拠を確保するために「撮影」をする
このように、正当な理由があり、違法行為を用いずに撮影する分には全く問題ありません。
探偵はプロの調査員ですから、探偵業法などの法律は熟知しています。
よほど悪徳な探偵でない限り、違法行為をしてまで証拠を確保することはありません。
こんな調査はNG!違法性が問われる調査方法の例4つ
探偵業法で認められている調査方法(聞き込み・尾行・張り込み)であれば、違法性が問われることはありません。
が、それ以外の方法を用いた場合は別です。
では、どのような方法が違法になるのか?具体例が下記の通りです。
GPS
夫婦間でGPSを利用するのは問題ありません。
が、探偵がGPSを用いるのはリスクが生じます。
- 相手の自宅に入ってGPSを設置する行為
▶▶不法侵入(住居侵入罪)に該当 - 車に傷をつけてしまった場合
▶▶器物破損罪に該当 - 車などに設置して位置情報を取得する行為
▶▶ストーカー規制法違反、プライバシーの侵害に該当するおそれあり
盗聴
夫婦間であれば問題ありません。
また、探偵を自宅に招く▶▶部屋に盗聴器を設置してもらうという流れも問題ありません。
証拠確保のためという目的があり、あなたが自宅に招いたため不法侵入には該当しないからです。
ただし、下記のような行為は違法になります。
- 無断で自宅に侵入して盗聴器を設置(不法侵入)
- 固定電話や電話回線に盗聴器を設置
(有線電気通信法違反、通信の秘密を侵害) - 盗聴器で録音した内容を第三者に公開する
(プライバシーの侵害、電波法違反)
不法侵入(住居侵入罪)
相手の自宅に無断で侵入することは、不法侵入(住居侵入罪)に該当します。
また、オートロックのマンションやアパートに入って部屋番号を調べることも、不法侵入に該当します。
なので、相手の車にGPSを設置する行為や、部屋に勝手に入って盗聴器を設置する行為は、すべて違法行為になります。
不正アクセス
IDやパスワードを入手し、SNSアカウントなどに勝手にログインする行為は「不正アクセス禁止法」に該当します。
不正アクセス禁止法に違反すると、懲役刑や罰金刑などの処罰が与えられます。
探偵は個人情報をどうやって調べるの?
個人情報の調査は「探偵業法」にもとづき行われます。
探偵業法で認められている調査方法は、聞き込み・尾行・張り込みの3つのみ。
これに加え、正当な理由があっての撮影や、インターネット検索(SNSアカウントなどの公開情報)などで個人情報を調べます。
例1)尾行と張り込みで”ここまで”わかります
例えば、あなたが探偵に「浮気調査」を依頼したとします。
浮気調査をするにあたり、パートナーの情報をある程度提供する必要があります。
- パートナーの氏名、生年月日
- 勤務先、勤務先の住所
- 身長、体型、服装
……などなど。
探偵はこの情報をもとにして、尾行や張り込み調査を行います。
そして、調査が完了すると「調査報告書」が作成されます。
調査報告書に記載されている内容は下記の通り。
- 対象者(パートナー)の個人情報
- 浮気相手の個人情報
- 浮気時の行動ルート
詳しくは下の+ボタンをタッチしてご確認ください。
例2)SNSやブログの投稿から”ここまで”わかります
投稿(公開)されている情報によりけりですが、公開範囲が全体公開だった場合。
設定されているプロフィールや写真、投稿されている1枚の写真から、ここまでわかる可能性があります。
- フルネーム
- 生年月日
- 出身地
- 現住所
- 出身校
- 勤務先
- 子どもの有無(名前、性別など)
- 子どもが通っている学校
気をつけているつもりでも、思わぬところから個人情報が調べられている可能性があります。
写真に写り込んでいる書類、テレビの画面やガラスに反射している風景、友だちのタグ付け、などなど。
また、写真データに「位置情報」が含まれていると、そこから現在の位置情報や住所がわれてしまいます。
(撮影した写真データに”exif情報”が含まれている可能性あり)
探偵はどこまで個人情報を調べてくれるの?
探偵は高い調査能力と広いネットワークがありますから、調べようと思えば”どこまでも”個人情報を調べることができます。
が、探偵業法や個人情報保護法、ストーカー規制法などに違反するような依頼には対応しません。例えば……
- 結婚や就職に際し、対象者の出自を調べるような調査
▶▶差別調査に該当- 依頼者がストーカーであり、ストーカー行為を行うために対象者の所在を調べる調査
▶▶犯罪行為や違法な行為のために用いられる調査に該当- 電話番号や車のナンバーから個人を特定する調査
▶▶個人情報保護法に違反する
などが挙げられます。
正当な理由(浮気の証拠を集めて欲しい、いなくなった人を探して欲しい、ストーカー相手を特定して欲しいなど)があれば、探偵は探偵業法にもとづき調査を進めてくれます。
ただし、違法行為に該当する場合は、調査そのものを断ります。
お金を払えば何でも調べてくれる、というわけではありません。
まとめ
- 探偵に認められている調査方法は「聞き込み・尾行・張り込み」の3つ
- それプラス、正当な理由にもとづいての撮影やインターネット調査も行う
- 違法行為を用いての調査はゼッタイに行わない
- 当然、個人情報の調査も「探偵業法」にもとづいて行う
- 違反した場合、営業停止や懲役刑・罰金刑などの処罰が与えられる